こんな悩みが解決できます
- セグメントとは、セグメンテーションとは何なのかが分かる
- セグメントの分かりやすい事例、有名な事例を紹介
- セグメントの上手な分け方が分かる
セグメント(セグメンテーション)とは、市場を分けて小さな市場で1位を目指すこと
いくつかの塊に分けてそれぞれを1つの市場として捉える
セグメンテーションとは
同じ価値観、同じニーズを持つ人を束ねて、それぞれの塊を1つの”市場”として捉えること。
セグメント(セグメンテーション)とは「束ねる」という意味です。
ビジネスにおいて、「似た者同士」をいくつかのグループに分ける作業のことを「セグメンテーション」と呼びます。
その出来上がった1つ1つの塊のことを「セグメント」と呼びます。
セグメント(セグメンテーション)の最終形は「オーダーメード」と考えると分かりやすい
セグメンテーションは単体で考えるとどうも分かりにくいというお声が多いのです。
しかし、2つの言葉と一緒に考えるとスッと理解できます。
それは「マス(mass)」と「オーダーメード」です。
マス(Mass)とは、はっきりした区分けの無い、であったり一般大衆、という意味。
マスメディア、マスコミは、「一般大衆に向けたもの」といった意味で「マス」が使われている。
3つ市場の捉え方
- マス(Mass)…顧客を分けない、売り手発想で市場を大きく捉える考え方。
- セグメンテーション…「似た者同士」を束ねて、それを1つの市場として捉える考え方。
- オーダーメード…1人1人に最適化し、1人1人を市場と捉える考え方。
このように、セグメントとは(セグメンテーションとは)「マス」と「オーダーメード」の中間である、と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
セグメント(セグメンテ―ション)のメリットは、コストと強い訴求のバランスがとれること
セグメンテーションのメリットは、「コストと強い訴求力の両面を持ったビジネスができる」ということです。
ビジネススーツカテゴリーを例に見てみましょう。
「マス」(左)を対象にすると、画一的な商品を大量に生産することになるので、コストは圧倒的に抑えられます。
一方で、特に目立った特徴も感じられず訴求力(欲しい!と思わせる力)に劣ります。
対局(右)にある「オーダーメード」は、”あなた専用”になるので、訴求力は”最強”です。
ただし、1人1人に合わせた商品になるので、原料費、人件費など莫大なコストがかかります。
そこで活躍するのが「セグメンテーション」。
一定の訴求力を保ちながら、コストもある程度抑えることができ、ビジネスとして成立しやすいのです。
この例でいうと、「就活フレッシャーズ」という似た者どうしを束ねてセグメンテーションしています。
小さな市場なら1位を目指せる!
セグメンテーションの本来の目的は、「小さな市場で1位を取ること」です。
市場を分けると、小さな市場で強い訴求力を発揮することができます。
巨大な市場で競合ひしめく中で戦っていては、あなたのビジネスは有象無象の中の1つに過ぎません。
一方で、細分化した市場の中ではオンリーワンの存在になれる可能性が極めて高くなります。
1位になれる市場を見つけ、1位の市場を複数積み重ねていくことが、結果大きな市場での存在感を発揮する近道となります。
セグメント(セグメンテーション)の分かりやすい事例、有名な事例
「セグメンテーション」の手法を使い、それぞれのカテゴリーで一躍有名になったブランドをご紹介します。
「髪の長さ」と「好みの質感」でセグメント(セグメンテーション)した”GATSBYムービングラバー”
いわずと知れた、ヘア―ワックスです。
「髪の長さ」と「スタイリングの好み」でセグメンテーション。※下記表参照
豊富なラインナップ展開をすることで売り上げシェアNo,1※を誇っています。
GATSBYの商品ラインナップ展開
公式ホームページより引用(https://www.gatsby.jp/product/hairstyling/moving-rubber/)
「今日は会社で仕事だから、かっちり目に。」
「今日は彼女とデートだし、少し遊んだ髪型にも挑戦したいな。」
日によって変化する髪型のニーズまでも満たすラインナップ設計になっています。
使用感も非常に良く、人気サロン監修なだけあって、本当に狙った質感が出るヘアワックスで非常に良い商品ですよね。
売上No,1※なので、大量生産のメリットをいかしたお手頃価格なので、家に2~3個いろんなタイプを置いていても楽しいです。
※インテージSRI+日本の男性用ヘアワックス市場2017年~2021年各年シリーズ合計販売金額
家の掃除のうち、「布団の掃除」を切り取ってセグメント(セグメンテーション)した”レイコップ”
レイコップは「家を掃除したい」というニーズの中の一部、「布団を綺麗にしたい」という想いを束ねてセグメンテーション。
布団に特化した掃除機を発売し、爆発的ヒットを記録。
我が家でも使っていますが、毎日”干したてのような布団の清潔感”に包まれて寝ることができています。
筆者も愛用中
我が家でもレイコップを使っていますが、毎日”干したてのような布団の清潔感”に包まれて寝ることができています。
見た目はきれいでもレイコップで吸ってみると、あれよあれよとゴミ?死骸?とも分からぬものが出てくるのには驚きました。
「朝に飲む」シチュエーションをセグメント(セグメンテーション)した”WONDAモーニングショット”
AKB48の広告も記憶に新しい、WONDA(ワンダ)モーニングショットもセグメンテーションの好事例です。
朝、コーヒーを飲む方多いですよね。
昔から誰もが知っていた、当たり前すぎてコーヒー業界のマーケターは誰も気にしていなかった習慣に”あえて”着目。
「朝専用」(裏を返せば、朝以外は飲まれないリスクを冒して)と銘打ってこの商品が登場しました。
TV広告も徹底して「おはようございます」と繰り返した結果、朝の時間帯に爆発的に販売を伸ばし一大ブランドとなりました。
朝「コーヒー飲もう」と自販機の前に立つと、皆さんこれ以外選択肢に入らないのではないでしょうか。
これが訴求力の強みを活かした素晴らしい「セグメンテーション」です。
絶妙なコーヒー香ばしさと、これからの仕事を邪魔しないスッキリした後味で、まさに朝に飲むコーヒーという味です。
「まだ目が悪くない人」をセグメント(セグメンテーション)した”J!NS”
J!NSブルーライトカットメガネ 公式ホームページより引用
https://www.jins.com/jp/jins-screen/
発売当初は「J!NS PCメガネ」というブランドで発売したブルーライトカットのメガネです。
発売当時画期的だったのは、メガネ屋さんなのに「まだ目は悪くないが、これから目が悪くなる人」をセグメンテーションしたことです。
当時のメガネ屋さんは、目が悪い人のためのお店でしたから、業界に衝撃が走ったのは言うまでもありません。
現在はブルーライトカットの様々な商品が登場していますが、発売当時画期的なコンセプトで常に品切れ状態でした。
J!NSメガネはこれだけにとどまらず、さらに画期的商品を投入します。
J!NS PROTECT 公式ホームページより引用
https://www.jins.com/jp/protect/
花粉・飛沫カットメガネです。
カラフルな粉をバッと顔に浴びても、目もとには全く粉が付いていない、という鮮烈なCMを今でも覚えています。
このように、J!NSはまだ目が悪くない人を画期的な軸でセグメンテーションし、一大ブランドとなりました。
花粉カットメガネ”J!NS PROTECT(ジンズプロテクト)”は、小生も妻と4歳の息子とともに愛用していますが、本当に良い商品です。
J!NSは素晴らしいメガネ
花粉カットメガネ”J!NS PROTECT(ジンズプロテクト)”は、小生も妻と4歳の息子とともに愛用していますが、本当に良い商品です。
花粉の季節に、しっかりと花粉をカットしてくれるのに、着けていても違和感や視界の狭さなども気になりません。
4歳の息子はひどい花粉症で毎晩鼻水が出て寝られないほどでしたが、このメガネに救われました。
お値段も普通のメガネや毎日のように服用する薬の費用と比べると、逆に安すぎるくらいです。
欧米人のように鼻が高い方や、顔のサイズが人より大きめな方は、少しJ!NSのお店で調整が必要かもしれません。
大人用からジュニア、キッズまで幅広くラインナップしています。
ちなみに、小顔の妻は、ジュニアサイズを使っています。4歳の幼稚園の息子は、一番小さいKIDSサイズを気に入って愛用しています。
おすすめ!
自分で飲むのではなく、「贈答用途」でセグメント(セグメンテーション)した”AGFコーヒーギフト”
「コーヒーギフトはAGF♪」のCMを覚えている方も多いですよね。
当時、インスタントコーヒー市場は「ネスカフェ」一強状態でした。
そこでAGF(現在は味の素AGF)は、「贈答用途」を市場として束ね、贈りもののコーヒーとして市場を巻き返します。
これによりAGFはインスタントコーヒー市場での立場を確立しました。
現在でもギフトコーヒーとして様々なラインナップを取りそろえ、贈答用コーヒーセグメントの中では圧倒的強さを誇ります。
AGFのCMが放映開始されると、お中元やお歳暮に同じAGFのコーヒーギフトが複数届く家庭が続出したという噂も。
上手なセグメント(セグメンテーション)作りに。成功する4つの束ね方
セグメンテ―ションを実際にやってみる、という際に役立つ4つの束ね方をご紹介します。
シチュエーションで束ねる
1つ目はシチュエーション(分かりやすく言うとシーン、ですね。)で束ねる方法です。
あるカテゴリーの使われ方や、使うタイミングを洗い出してみて、特徴的なシチュエーションやシーンが無いか、考えてみて下さい。
例えば、コーヒーギフトのAGFはこの事例に当てはまります。
「お酒を飲めない人に、変わりにコーヒーを贈る」という習慣があることに気づき、贈答用コーヒー市場を開花させました。
時間・タイミングで束ねる
2つ目は時間・タイミングで束ねる方法です。
あるカテゴリーが消費・利用される時間・タイミングで特徴的な時間帯やタイミングが無いか、考えてみてください。
たとえば朝食の後、とかお風呂に入る前、など、日常生活のルーティーンの前後などに潜んでいることが多いです。
事例ではWONDAモーニングショットが当てはまります。
人で束ねる
3つ目は人で束ねる方法です。
これは、人の「属性」といった方が分かりやすいかもしれません。
特徴的な特定の集団に所属する人や、特定の属性を持った人に商品、サービスが特徴的に使われていないか、考えてみてください。
フレッシャーズ向けのスーツはこの例が当てはまります。
”会社経営者”のような職種、”独身男性”のような世帯の形態などが良くあるパターンです。
人の気持ちや価値観で束ねる
4つ目は使う人の気持ちや価値観で束ねる方法です。
特定のカテゴリーを使うとき、大多数の人とは違う気持ちで使っていたり、別の価値観を求めている人はいないでしょうか。
身近なところでは、腕時計は分かりやすい事例です。
- 時間を正確に把握したい人
- 時間も気になるが高級感の方が大事な人
- 時間はどうでもよくて、ファッションとして考える人
このように、一見大企業が牛耳っているカテゴリーでも、似た者同士のグループ分けをして整理してみると、大手が手を出していないセグメントが発見出来たり、ビジネスチャンスが見えてきます。
ポイントのまとめ
- シチュエーションで束ねる
- 時間、タイミングで束ねる
- 人で束ねる
- 人の気持ちや価値観で束ねる
この記事を参考にしながら、セグメンテ―ション(セグメント)を考えてみて、ぜひビジネスチャンスを見つけてくださいね。
「あれ?…売れた!」を一緒に作っていきましょう。