こんな悩みが解決できます
- ペルソナとは一体何なのか分かるようになる
- ペルソナは何のために必要なのかが分かる
- ペルソナの作り方が分かる
- ペルソナの使い方が分かる
ペルソナとは「超リアルに描いた仮想顧客」のこと
ペルソナ(persona)という言葉はビジネスに関わる方は一度は聞いたことがありますよね。
この記事でペルソナとは一体何なのか、作り方、使い方まで一挙に学んで行きましょう。
ペルソナは商品・サービスを買ってくれる典型的なお客様のイメージ
ペルソナとは(persona)、あなたの商品・サービスを買ってくれる「典型的なお客様」のイメージです。
ペルソナはパワーポイント1チャート程度の中に、詳細なプロフィール情報が書き込まれています。
名前や年齢、生年月日や職業など、事細かに1人の人物について描いた内容で構成されています。
ペルソナを作成する目的は、頭の中のお客様像を完全に一致させることです。
「ターゲット」とは違い「とある1人の人物」まで詳細に描いたのがペルソナ
ここで勘違いしやすい表現として「ターゲット」がありますが、ターゲットとペルソナは異なります。
ペルソナ | 名前や性年代、経歴や年収、趣味嗜好など、仮想顧客を超リアルに描いた「個客の人物像」 |
ターゲット | 性別、年代、使っている商品など、ある程度幅のある属性情報で束ねた「お客様の集団像」 |
ターゲットは、特定の集団に対して解釈することです。
性別、年代だったり、職業、今使っている商品などです。
一方、ペルソナはターゲットの集団の中の、さらに「典型的な1人の人物」について事細かに記述されるものです。
ただし、この「典型的な1人の人物」は実際には存在しません。
ペルソナとは、あくまで「仮想顧客の特徴を超リアルに描いた」ものなのです。
ペルソナを使う3つのメリット
誰にでもお客様像が齟齬なく伝わる
ペルソナを1枚整理しておくと、誰が見てもあなたが商品・サービスをお届けしたいお客様の人物像が分かります。
社内では長くお客様と関わっている社員と、新人社員が同じ人物をイメージしながら仕事ができます。
社外では全く新しい取引先であったとしても、ペルソナ1枚あればあなたの典型的なお客様について思考と行動を集中させることができます。
社内的にも、対外的にも「同じお客様を思い浮かべてビジネスが進められる」ことがペルソナ最大の利点です。
たった1人を喜ばせるために、アイデアがどんどん広がる
誰しも「ここにいる500人を喜ばせてください」となると、アイデアが全く浮かばないものです。
しかし、「目の前にいる田中さんを喜ばせてください」と、1人であれば試してみたいたくさんのアイデアが出てきますよね。
ましてや、この田中さんの経歴や趣味嗜好などのプロフィールがあればなおさらです。
ペルソナを一目見ると、頭の中でその人物がまるで生きているかのように動いたり、喋ったりします。人間の想像力は素晴らしいですね。
「田中さんはこんなことをすると、きっと喜んでくれる!」
「実は、田中さんはこんなことにも悩んでいるんじゃないだろうか?」
「もしかして、田中さんはこんな風に言われると嫌がるかも?」
典型的なお客様を、仮想であっても「1人の実在する人間」として強くイメージすることで、今までになかった新たな発想が生まれるのです。
ヒト、モノ、カネ・時間が効率化される
ペルソナは、特にクリエイティブ系(画像、映像、パッケージ、広告等)では大いに威力を発揮します。
ここで「ターゲット」を用いると、クリエイティブの言葉づかいや表現に、デザイナーの解釈によって大きく差が出ます。
ペルソナなら、的外れなデザインが出てきた!などの「大ハズレ」のやり取りが無くなります。
社内でも同様に、関係者に商品に関わる何かを依頼するとき、同じ人物を思い浮かべながら会話したりタスクのやり取りができます。
意思疎通がスムーズになったり、手戻りが無くなったりと、ヒト・モノ・カネ・時間を効果的に活用できるのがペルソナです。
ペルソナのつくりかたと注意点
ペルソナに描くべきこと
ペルソナは、対消費者(BtoC)の場合と、対企業(BtoB)の場合は書くことが異なります。
下記のような内容をパワーポイント1チャート程度にまとめて記載します。
BtoC(消費者)向けペルソナに記載すべき9つの内容
項目 | 何を書くか |
---|---|
人物のイメージ写真 | お客様を象徴する人物の写真(イラストでなく実写) |
個人情報 | 名前・性別・年齢・年収・自由に使えるお金・居住地・家族構成と家族の年齢・出身地など |
現在使用品 | 当該カテゴリーにおける現在使用商品・他社サービス |
よく使うメディア | よく使うSNS・広告媒体など |
よく行くお店や場所 | チェーン店名や場所・訪れるwebサイトなど |
エピソード | これまでの半生・性格、趣味嗜好を形成することになった経験・直近の出来事・興味のあること・当該カテゴリーを使用するときのエピソードなど |
社会的役割 | この人物が社会の中でどのような役割だと自覚しているか |
当該カテゴリーに対する意識や考え | 当該カテゴリーに対して重視していることや、満足していること、未充足なこと。それはどんな経験が起因しているか |
人生のゴール | この人物の理想とする今後の人生の姿 |
その他 | その人物の生活がイメージできるような写真が数枚あるとなお良い |
BtoB(企業)向けペルソナに記載すべき内容
BtoBのペルソナの場合、接点となる担当者に加え、意思決定する組織のペルソナも作成が必要です。
組織のペルソナ項目 | 何を書くか |
---|---|
企業の基礎情報 | 従業員数・上場有無・設立年など |
取り扱っている商品やサービス | 所属業界・業種・事業規模など |
抱える事業課題 | 事業成長を阻害する課題 |
組織と組織の課題 | どんな部署か・その部署が抱える課題 |
組織の実現したいゴール | その組織がどんなことを実現したいと考えているか |
担当者のペルソナ項目 | 何を書くか |
---|---|
担当者の社内での立ち位置 | 情報収集するいち担当者の役職・普段の業務の役割 |
担当としての困りごと | 担当者として具体的に何に困っているか |
検討済みの他社品・サービス | これまでに比較検討した他社商品やサービス |
主な情報収集手段 | web検索や展示会、情報交換先など |
担当者のゴール | 担当者として何を達成すれば成果とみなされるか |
ペルソナに必要な情報の調べ方
ペルソナの情報をいきなり書こうと思っても、難しいですよね。
ペルソナには「情報」が必要です。
必要な情報を、以下のようなデータ、聞き取りから収集していきましょう。
ペルソナの元となる情報収集元
- 顧客の会員情報
- 既に購入頂いた方やご愛用者様へのインタビュー
- ホームページへの流入元
- 商品を使っている方のSNS、ブログでの発言や写真投稿
- クチコミ
- 接客時の発言や会話から
- (費用を掛ける場合)インターネットアンケート
思い込み、先入観でなく「事実が集積された1人」として描くこと
「平均」は使わないこと
ペルソナ作成の上で注意すべき点は、仕入れた情報から共通する部分を抜き出して描くことです。
ポイントとしては「平均」は使わないということです。
例えば以下のような購入顧客リストがあったとします。
年齢 | 子どもの人数 | 年収 |
---|---|---|
25歳 | 1人 | 400万円 |
34歳 | 3人 | 740万円 |
35歳 | 3人 | 750万円 |
33歳 | 3人 | 650万円 |
20歳 | 0人 | 350万円 |
平均:29歳 | 平均:2人 | 平均:578万円 |
平均すると、29歳・子供が2人・年収578万円の人物となります。
もう一度顧客リストに目を移すと、そんな人物は存在しないことに気付くと思います。
平均というのは、そこに該当する人は実際にはいない数字だと理解しましょう。
34歳でもうすぐ誕生日。子供は3人います。年収は最近少しだけアップして750万円位になりました。
上記のように、代表的な人物像を決めることが大切です。
数学的な正しさよりも、感覚的な正しさ
「中央値なの?」「最頻値なの?」などの質問を受けることがありますが、数学的正しさは重要ではありません。
年収が10万円変わったところで、人物像は変わらないからです。
情報を俯瞰して眺めてみて、これが代表的なデータだな、と感じるものをピックアップしていきましょう。
情報不足で埋めきれない部分は、あなたの心と会話して創作せよ
ペルソナは今後も更新していきますので、多少間違っていても構いませんので、描き切りましょう。
情報不足で埋めきれない部分ももちろんあると思います。
情報がどうしても取得できない場合は、あなた自身の心(具体的にいうと経験則やビジョン)と会話して創作してしまいましょう。
名前は創作の最たる例です。
明るい名前なのか、可愛い名前なのか、古風な名前なのか、あなたがしっくりくるイメージで空いた部分を埋めていってください。
ペルソナの上手な使い方
社内・社外関係者と会話する前に5分間読んでもらいましょう
ペルソナは作成して終わりでなく、人に見せることで効果を発揮します。
意見交換のミーティングや、お取引がはじめての相手など、「お客様のイメージを持ってほしい時」に冒頭5分程度確保し、全員で目を通すように使っていきましょう。
事前にペルソナでお客様の人物像を一致させておくことで、効率的で活発な議論を行うことができます。
すでに読んだことがある人も、定期的に眺めることで頭から余計な顧客情報がカットされるのでおすすめです。
情報はアップデートし続けることが大切
ペルソナとは、お客様の”今”を、関係者に理解してもらうために大切なツールです。
情報がアップデートされたり、新たに気づきがあった際はどんどん加筆修正していきましょう。
ペルソナを常に変化させることができているということは、お客様をより深く知る努力をしているという証拠になります。
この記事を参照しながら、あなたのペルソナをぜひ作ってみてくださいね。
「あれ?…売れた!」を一緒に作っていきましょう。