こんな悩みが解決できます
- ターゲティングとは何のことなのかが分かる
- ターゲティングとペルソナの違いが分かる
- ターゲティングのやり方が分かる
今回は、「ターゲティング」について解説します。
ここでいうターゲティングとは、広告の配信設定などのターゲティングといったテクニックの話ではありません。マーケティング上重要となる「STP」におけるターゲティングの考え方です。
この記事を読んで、ターゲティングとは何か、規定の仕方はどうすればよいかを学んで行きましょう。
マーケティングにおけるターゲティングとは
セグメンテーションが前提。その中で最も勝てるセグメントを選択すること
まずは、マーケティングの基本となる8ステップについて確認しましょう。
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セグメンテーションの解説はこちら
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セグメンテーションで、市場をいくつかの塊に束ねました。ターゲティングはその中から1つの市場を選択することになります。
いくつかに分けたセグメントの中で、あなたが最も勝てる(1番になれる)セグメントを選択することがビジネスにおいては重要です。そのセグメントを選択し、ビジネスの相手となる顧客のニーズを鮮明にして明文化するのがターゲティングです。
ターゲティングで大切な3つの確認ポイント
ターゲティングを設定する際に、とても大切な3つの確認ポイントがあります。
これらの3つのポイントをしっかりとクリアしていれば、収益につながるターゲティングであると判定できます。
経済規模と成長性
- その選択した市場には、収益を得られるだけの規模がありますか?
- その選択した市場は、成長性はありますか?
その市場での、あなたの魅力度と競争力
- その選択した市場で、あなたは大多数のお客様に魅力に感じて頂けますか?
- その選択した市場で、あなたは大多数のお客様の人気を得られる強み・差別性を持っていますか?
- その選択した市場で、競合になりうる他社たちから抜け出し、ナンバーワンを狙うことが充分に可能ですか?
市場が今も、今後も「安全」であるかどうか
- その選択した市場は、すべてを吹き飛ばすような資本力のある競合はいませんか?
- その選択した市場は、新規参入のハードルが低くて誰でも入ってこられたりしませんか?
- その選択した市場は、供給が圧倒的に上回り、買い手のパワーバランスが強すぎる市場ではありませんか?
ターゲティングとペルソナの違いは?
ターゲットと勘違いしやすい表現として「ペルソナ」がありますが、ターゲットとペルソナは異なります。
ペルソナ | 名前や性年代、経歴や年収、趣味嗜好など、仮想顧客を超リアルに描いた「個客の人物像」 |
ターゲット | 性別、年代、使っている商品など、ある程度幅のある属性情報で束ねた「お客様の集団像」 |
ターゲットは、特定の集団に対して解釈することで、性別、年代だったり、職業、今使っている商品などです。
一方、ペルソナはターゲットの集団の中の、さらに「典型的な1人の人物」について事細かに記述されるものです。
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ターゲティングしてビジネス相手を規定する
ターゲティングのメリットはマーケティング活動の効率化
ターゲティングを行うと、マーケティング活動が効率化できます。
ターゲティングを行うことで、例えば広告などを無駄に打つことを抑制し、投資対効果を効率化することが出来ます。ターゲティングを設定しないままビジネスを進めてしまうと、投資ばかりがかさんでしまい、最悪、事業撤退なども考えられます。
加えて、ターゲティングをしておかないと、今後マーケティング施策を検討する際「一体なにを考えたらよいのか?」と目的や目標があいまいになってしまいます。
ターゲティングのメリット
- マーケティング投資の効率化ができる
- マーケティング施策の曖昧さを回避できる
ターゲティングは大きく2つの円で考える
ターゲティングは、大きく2つの円で考えることが大切です。
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1つ目の大きな円は「ストラテジックターゲット」。この顧客たちは、マーケティング投資を行い、商品・サービスを知っていただき、お届けすべき人たち(BtoBの場合は企業)です。
2つ目の小さな円は、その中でもあなたのビジネスの収益の柱を担う顧客を設定し、「コアターゲット」として整理します。コアターゲットは、あなたが解決できる不満や未充足欲求をより強く抱えている顧客のことを指します。
コアターゲットを分かりやすく表現すると「頭を下げてでも、あなたの商品・サービスを売ってください」とお願いしてくる状態にある顧客達です。
ビジネスターゲット | コアターゲット | |
---|---|---|
どんな状態? | 商品・サービスで解決できる不満、未充足欲求を持つ顧客 | 商品・サービスで解決できる不満、未充足欲求を非常に強く持つ顧客 |
例えるならば? | 商品・サービスと、支出などの痛みとのバランスを勘案する | 商品・サービスを頭を下げてでも売ってくれと懇願してくる |
まずはコアターゲット、次にビジネスターゲットの順に獲得せよ
なぜターゲットを2つに分けるのか。それは、ストラテジックターゲットと、コアターゲットを事前に分けておくことで、マーケティング投資の効率化ができるためです。
順序としては、まずはコアターゲットの獲得に”全力”を注ぎます。いきなりストラテジックターゲットまで狙いを拡げてはいけません。
なぜなら、コアターゲットが獲得できる施策が見つかっていないのに、ストラテジックターゲットが獲得できるはずがないからです。
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まずは、コアターゲットを確実に獲得できる商品・サービス、キャッチコピー、広告などを、まずはトライ&エラー、テストなどを繰り返し、とことん研究して、”質”を上げる活動に重点を置いてください。
コアターゲットが獲得できた感触が持てたら、あとは対象をストラテジックターゲットに広げ”量”を上げる活動にシフトします。こうすることで、無駄に”量”を増やして、広告費などのマーケティング投資を浪費するよりも、的を絞ることで施策の質の効果・良し悪しが分かりやすかったり、質をあげる活動のマーケティング投資が抑制できるのです。
ポイント
まずはコアターゲットの獲得に全力を注ぎ、施策の質をとことん引き上げること。成果が見えたら、ストラテジックターゲットまで範囲を広げ、施策の量をとことん稼ぐこと。こうすることで投資額を最小に、効果を最大にすることが出来る。
ターゲティングの記述にルールはない
ターゲティングは人物像や想いを具体化することが大切
ターゲティングを具体的にどんな記載にすればよいかですが、これには実は決まりがありません。
ターゲティングは狙いたい顧客の想いや悩み明文化することが大切で、顧客の解像度を高めていく作業になります。
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WONDAモーニングショットを例にターゲティングのイメージをしてみましょう
セグメンテーションの記事でも取り扱った、WONDAモーニングショットについて筆者なりに企業分析としてターゲティングを考えてみました。
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WONDAモーニングショットは、「コーヒーを飲む時間」でセグメンテーションし、その中で「朝の時間に飲むコーヒー」をターゲティングしています。
その中で、ストラテジックターゲットは「毎朝コーヒーを飲む習慣がある人」、その中でも、缶コーヒーの強みを活かせるコアターゲットは「朝時間がなく、出勤先で毎朝コーヒーを飲む人」であると想定できます。
このように、セグメンテーションし、ターゲティングでビジネス領域を決定し、2つのターゲット設定で顧客像を明らかにしておくことが、マーケティング投資の効率化につながるのです。
WONDAモーニングショットの例を用いると、例えばCMをあなたが制作するとなった場合、朝忙しそうに出勤している人が、オフィスでコーヒーを飲み始業前の時間にフレッシュな気持ちを整えている様子が浮かんできますよね。
この記事でターゲティングを学び、ぜひあなたも2つのターゲットを規定してみてくださいね。
「あれ…?売れた!」を一緒に作っていきましょう。