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ジャムの法則と対策(決定回避の法則)【心理学】世界一分かりやすく解説

ヒロヴィンチ

東証一部上場企業現役マーケッタ―/ブランドマネージャー【経歴】愛知県私大卒>>消費財大手メーカー(特定分野アジア1位)▶チェーンストア営業▶ブランドマーケティング▶ショッパーマーケティング。アーティスト、英会話教室、大手クレジットカード会社など中小大手30社以上のコンサル経験。東京都在住。

こんな悩みが解決できます

  • ジャムの法則とは何なのかが分かる
  • 扱う商品が多いのに、なかなか購入に繋がらない悩みが解決できる
  • ジャムの法則の罠に陥らず、商品を買ってもらえる方法が分かる
  • 品揃えが多いはずなのに、リピーターさんが付かない現象を解決できる

ジャムの法則とは「選択肢が多すぎると選べない」ことの例え

人は選択肢が多いと選べない

一見、商品の数や選択肢が多いと喜ばれるように感じますよね。

しかしそれは大きな間違いです。

人間の心理学的に、9つ以上の選択肢が示されると、途端に迷いの方が勝ってしまい購入率が低下することが分かっています。

この、選択肢が多すぎると選べなくなることを「ジャムの法則」と呼びます。

ポイント

ジャムの法則=選択肢が多すぎると人は迷ってしまい購入率が低下すること。

ジャムの法則とは、心理学の実験からつけられた名称

ジャムの法則と呼ばれるのは、この心理学が研究された商材がジャムだったことから通称として呼ばれています。

ジャムの試食売り場で、こんな事象が起こりました。

ジャム試食での研究例

ジャム売り場の試食コーナーにて…

  • 6種類のジャムを置いた場合…試食に来た人の30%が購入
  • 24種類のジャムを置いた場合…試食に来た人の3%が購入

このように、ジャムの種類を増やしたところ、購入率が10分の1に大きく低下してしまったのです。

この原因は、多くの選択肢がもたらす必要以上の情報に負担を感じている状態が生じていることに起因します。

結果、決断や行動力が乱れてしまうという人間の特性が潜んでいることが分かりました。

専門用語では「決定回避の法則」と呼ばれる

このような現象のことを、専門用語では「決定回避の法則」と呼びます。

意思決定が、過多な情報負担によって回避されてしまうということですね。

選べる商品は多い方がいい!という大きな勘違い

たくさん選べるということは、たくさん迷わせるということ

ジャムの実験に表されるように、たくさん選べるということは、お客様にたくさんの迷いを生じさせるということです。

たくさん選べる方が良いと思い、似たようなラインナップを次々に展開することは、購入率を下げるデメリットが大きいということです。

この記事でジャムの法則を覚えて、売れ行きが好調なアイテムがあったとしても、決して似通ったラインナップを安易に増やすといったことは避けてくださいね

ポイント

安易に似通ったラインナップを増やすのは、購入率を下げるリスクが伴う。

品揃えが多すぎる状況を放置すると、かえって顧客満足度は低下する

似通ったアイテムを増やしすぎるのには、さらにデメリットが存在します。

購入率が下がるだけでなく、お客様の満足度も低下することが分かっています

こんな実験をご紹介します。

大学生とスイーツの実験

大学生49人に3種類のスイーツを選んでもらう実験です。

  • 4種類のスイーツから3つ選んでもらった場合
  • 12種類のスイーツから3つ選んでもらった場合

こんな現象が発生

12種類から選んだ者の方が、「後悔」「選びなおしたい」という気持ちが強くなった。

このように、種類が増えるとお客様の満足度低下につながることが分かりました。

選択肢が増えるにつれて選んだ結果に満足しにくくなる現象で、最終的には「選びたくない」となってしまうこともあるのです。

ポイント

安易に似通ったラインナップを増やすのは、顧客満足度の低下も引き起こす。

「迷いたいモノ」と「迷いたくないモノ」があることを心得よ

ただし、ジャムの法則を意識しすぎて「ラインナップを絶対に拡げない方が良い」という主張ではありません。

ジャムの法則は、選択肢がどれも似ているように感じる場合に起こります。

ラインナップを拡げて良いもの、拡げすぎると良くないものの条件を確認しましょう。

拡げても良いもの
(ある程度迷って納得したいもの)
拡げすぎるとよくないもの
(迷いたくないし早く決めたいもの)
興味・関心の高いカテゴリー
(家電、趣味嗜好品、耐久消費財等)
興味・関心の低いカテゴリー
(大量消費物品、消耗品など)
種類を変えて使うことに喜びを感じるもの
(ペットのおやつ、調味料など)
種類を変えても喜びは一定のもの
(日用品等)
使ったときに感じられる実感価値が違うラインナップ
例:洗剤の場合
A商品…キレイになった!
B商品…着心地がよくなった!
C商品…香りがよくなった!
➡このラインナップ拡張の仕方はOK
使ったときに感じられる実感価値が同じ実感に行きつくもの
例:洗剤の場合
A商品…キレイになった!
B商品…キレイになった!
C商品…キレイになった!
➡このラインナップ拡張の仕方はNG

このように、「迷いたいもの」と「迷いたくないもの」という形で整理しました。

上記の表に沿って、ご自身のラインナップの拡げ方は正しいものか、チェックしてみてくださいね。

ポイント

ラインナップを拡げる時は、「ある程度迷って納得したいものとなるか?」という視点で考えて拡げましょう。

ジャムの法則(決定回避の法則)への対策は押し売りでなく「推奨」

買い手の満足度で肝心なのはある程度絞った選択肢から「私が選んだと感じさせる」工夫

ジャムの法則に陥らないためには、選択肢を絞り込み「私が選んだんだ」という納得感を感じさせる工夫が重要です。

膨大なラインナップから、お客様の意図をくみ取り数個をオススメし、その中から選んでもらうというのが理想的です。

絞り込んで納得感を与える事例

  • アパレル店員さんが「これお客様に似合いますよ」と3着程度持ってくる
  • 八百屋さんが「今日のおすすめはこれとこれだよ」とオススメしてくる
  • AmazonなどECサイトで「あなたにはこれもおすすめです」と複数呈示する仕組み
  • 保険の窓口でカウンセリングの上で3社ほど紹介する仕組み
  • ギターショップの店員さんが「初心者にはこのメーカーがおすすめ」と教えてくれる

これらはどれも膨大な商品数を扱うお店ですが、皆さんはあたかも自分で選んだように感じて満足して帰りますよね。

この絞り込んだ上でも「私が選んだ納得感」を感じさせる工夫こそがジャムの法則を回避し、満足な買い物を実現するコツなのです。

ジャムの法則への具体的な対策は推奨すること

ジャムの法則への具体的な対策はずばり「推奨すること」です。

押し付けるのではなく「推奨」です。

最初から売り手が1つに決めて、「これを買ってください」というのは押しつけです。

推奨を具体的に表すと「判断できる情報量まで見繕ったうえで、選択の余地を与えること」です。

最も手軽にジャムの法則に対策できるのは「チャットボットによる接客」

実店舗型のお店であれば、いくつか商品を見繕っておすすめするのは割と容易な話です。

一方で、ネットショップや情報商材の場合は、ずばり、チャットボットの導入が最も手軽に導入できるのでオススメです。

チャットボットは、「問い合わせ対応」のイメージが強いですよね。

でも実は「無人での自動接客カウンセリング」をすることができます。

トイザらス、Oisix、イオン、センチュリー21などたくさんの会社がチャットボットによる接客を導入し初めています。

webページ訪問者にチャットで選択形式の質問にいくつか答えていくと、ニーズに沿った商品がオススメされるといった具合です。

私もチャットボットを導入し、ページ閲覧者のうち25%の購入到達率を達成したことがあります

自分でタップして進めていくので、自ら選んでいる感覚を強く醸成できるのがメリットです。

チャットボット導入メリット

  • お客様が「自分で選んでいる」感覚が強く感じられる
  • 膨大な商品からニーズに合った商品を的確にオススメできる
  • データを取得できるので、たとえ購入に至らなくてもお客様の考えが読み取れる
  • データを活用して商品の訴求優先順位を修正したり、新商品の種を見つけられる
  • 季節や時期によって変化するお客様の思考を把握できる

商品の数がまだ1~2個で少ない、という方は不必要かもしれません。

しかし、もし品揃えの拡大を検討している場合は導入を検討することを強くおすすめします。

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筆者が様々なサービスを利用した結果、最もコスパの良いチャットボットのサービス「sinclo(シンクロ)」をご紹介します。

問い合わせのみでなく、接客にも特化したチャットボットなので、ジャムの法則対策にはうってつけです。

Webサイトに訪問した潜在顧客に対し、積極的に接客を行うことで購入到達率の上昇が期待できます

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